社会福祉法人制度改革⑫(監事の責任と権限)

監事は理事の職務執行を監査し、監査報告を作成します。(新社会福祉法第45条の18①)

監事には次の権限が与えられています(同条③)

❶理事への報告義務

理事が不正をし又は恐れがあるみとめるとき、法令・定款に違反する事実もしくは著しく不当な事実があると認めるときは遅滞なく理事会に報告する。

❷理事会への出席義務

理事会に出席し、必要あるときは意見を述べる。また必要がある時は、理事会を招集することを理事に請請求できるが、招集通知が発せられない場合には監事が理事会を招集できる。

❸評議員会への報告義務

理事が評議員会に提出する議案などを調査し、法令又は定款違反がある時、著しく不当な事項があると認めるときはその調査結果を評議員会に報告する。

❹理事の行為の差し止め

理事が社会福祉法人の目的の範囲外の行為もしくは、法令定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為により、社会福祉法人に著しい損害が生ずるおそれある時には、理事に対しその行為をやめることを請求することができる。

 

このように、法律は、監事は理事とは独立した権限を与え義務を課しているため報酬や費用の請求についても規定があります。

❶報酬

監事の報酬は、定款でその額を定めていないときには、評議員会で決める。監事は、評議員会で報酬について意見を述べることができる。

❷費用の請求

監事は、費用の前払いの請求、支出費用の請求などを社会福祉法人に対してできる。社会福祉法人は、その費用などが当該監事の職務執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことはできない。