日経新聞2023/1/17朝刊より
消費税の税率や税額を請求書に正確に記載・保存するために10月に導入するインボイス制度を巡り、政府は事業者登録の受け付けを事実上延長する方針を決めた。制度開始に間に合わせるには原則3月末までに申請する必要があったが、未登録の事業者が残っており、事情を問わず9月末まで受け付ける。制度の円滑な導入につなげる。
16日の関係省庁会議で明らかにした。4月以降の申請には「困難な事情」があることが要件だったが、理由の申告を不要にする。手続き柔軟化の方針は2022年12月に閣議決定した23年度税制改正大綱に盛り込んでいた。22年12月末時点の登録率は法人が75%、個人は34%にとどまっている。
インボイス制度では企業などが取引をするときに、原則として「適格請求書」と呼ばれる書類を使う。消費税が8%と10%の複数税率となったことで、納める消費税から自社で支払った分を差し引く際に必要になった。国税電子申告・納税システム「e-Tax」から手続きすると3週間ほどで通知書が届く。
仮に9月末に申請した場合、登録番号の取得は制度開始に間に合わない。さかのぼって取引先に番号を知らせるなどの対応をとってもらう。国税庁は「余裕を持って早めに対応してほしい」と呼びかける。
納税を免除されてきた売上高1000万円以下の事業者がインボイスを発行する課税事業者になる場合、納税額を売上時に受け取る消費税の2割に抑える特例を設けるといった負担軽減措置なども10月に導入する。
余裕をもって、8月末までには登録したいですね。